転職しますと決断して、公言して、みんなに言いふらしはじめてからというもの、新しい仕事もその前に行こうと思っている旅行も楽しみでしょうがない毎日です。
数ヶ月仕事を休みたいから転職する、といっても過言ではありません。本当は1年休んでamirisuに専念したいくらいです。

 

が、職場では必死に引き止めようと説得して下さる方々がいて、本当に感謝するとともに、仕事について、会社について、組織について、とてもとても考え込む日々が続いています。
わたしって何をやりたかったんだっけ?お金をもらって仕事をするってどういうことだっけ?あと30年、下手すると40年働くってどういうことだっけ?
そもそも、会社ってなんで週5日、年50週働かなきゃならないんだっけ?

 

仕事とはそもそも作業を依頼したい人がいて、それを引き受ける人がいて、対価をもらって行うものだとすれば、どうしてもウチで働いて欲しいと言ってくれるところで働くのが本来の姿なんじゃないか。
と思うわけです。
でも、ここに落とし穴がある。
どうしてもウチで、っていうのは「とりあえず今は」という枕詞付きであって、「一生」ではないってことです。
今どき、社員に「一生」なんて言っている会社は、そもそもエリートを選りすぐりに選りすぐって育てている会社くらい。それにしたって、一生なんてできない約束しない方が良いよって言いたくなります。
先日の記事でも書きましたが、企業とは社会の鏡であって、社会状況が変わると企業が必要とする人材像も変わるからです。

 

その観点から、これからの働きかたというのが見えてきているのではないかと、わたしは考えています。
(1)自分のキャリアは自分で面倒をみる。会社に頼らない。
(2)1人1職業、ましてや1つの会社に一生勤めるという時代は終わる。
(3)つまり、週40時間(下手すると70時間)、年のうち11ヶ月半同じ会社にいるという働きかたが時代遅れになる。

 

(1)についてですが、技術が日進月歩し会社で求められるスキルが変化し続けるなか、企業が社員教育に投資をして一定のスキルを身につけさせる、というのが難しくなっているのではないかと思っています。
私たちは自分で勉強するしかないし、自分の職業人生40年をどのように使うのか、自分で考えなければならない状況になっています。
そう考えると、ひとつの特殊な技能・知識だけにヤマを張って「オールイン!」するって相当リスクが高い。
それよりも、得意なものや経験があることの周辺分野を少しずつ耕していって、そこに生まれる仕事を有機的に繋げていくことで、第2、第3の仕事が生まれてくると思うのです。
だし、そうやって仕事を掛け持ちしないと食べていけなくなるのではないかとも思っています。

 

(2)だから、1人1職業ではなくなってくる。ウチの会社にもすでに、普通に部長職をこなしながら心理カウンセラーの資格を持つ人や、秘書をやりながらジャズシンガーをやっていた人など、固い職場でも現実はそんな風になってきています。もちろん、自分は一生今の会社の経理だけで食べていく、という人がいても構いません。でも違う志向を持つ人もいるっていうことです。仕事2つではなく、本職とNPO、そんな組み合わせだってアリ。兼業禁止規定はもう時代遅れで、唯一「競合の会社と兼業してはいけない」という条項だけ残るかもしれません。

 

(3)フリーランスの人だけではなく会社勤めしている人も色々な活動を行うということは、同じ職場で週70時間働けないということです。
この部分が変われば、子育てをしながら働くのも随分楽になるし、介護をしながら、年を取ったから週2日だけ、なんていうのも可能になります。

 

わたしの目指す方向は、1年のうち8ヶ月だけ会社で働いて、もしくは週3〜4日働いて、他の時間はamirisuや、加えてこれから立ち上げようとしているいくつかのプロジェクトに時間を割くことです。また、年のうち4ヶ月は日本じゃないところに住みたい。
今の会社ではそれができません。なんでできないのか理解できないけど、できない。

 

大学から大学院時代に著者を愛読し、講演を聞きにいき、尊敬していた前東京農業大学学長の進士五十八先生(当時はまだ造園学の学部長をされていました。なんともう退官されたとのこと!)が当時「百姓」という言葉を再定義されていて、今考えてみると、それにとても影響を受けました。(私に造園ではなく都市計画を勉強したら良いのではないかと進めてくれたのも、進士先生。他学の先生でしたが、指導教官に紹介してもらった。思い返せば、指導教官には大勢の方々を紹介してもらいました。)
人間はかつて食料生産から商売、衣類を作り家を建て、とマルチで活動していたのに、今ではPCの前に座って、更に分業化された作業だけを行っている。でも、それが普通の姿じゃないんだ、むしろ特殊なんだ、ということを私は日頃から考えています。

 

これは仕事の問題じゃなくて、生きかたの問題なのです。
わたしは新しい時代の百姓になりたい。