先日北海道でお会いした女性は編み物、洋裁、織物、革工芸まで色々なさる方で、「全部中途半端」とご自分でおっしゃっていたのが、私も身に覚えがあって印象に残っています。子供の頃から何でもやりたがるので、母に「器用貧乏」みたいなことを言われたような気がします。毎日欠かさずパンやスコーンを作っていた時期もあるし、洋裁をやっていた時期、油絵や刺繍をやっていた時期、フランス語にスペイン語にドイツ語に。。。ただし、これは学生時代の話。働き出してからは、会社に行きながら生きているのがやっとで、週末身動きせずに映画を見たりする日々。
健康状態が良くなってから最初に始めたフランス語と、そのあとすぐに手に取った編み物。最初は続けられるか不安で、毛糸も少しずつ、道具も少しずつ買っていた私(今では人に言えないくらい材料を溜め込んでいますが、少なくとも増えてはない!)。なんともう7年以上も編み物に突っ走っている自分に、今でも驚いています。
自分の性格をたいがい理解しているので、なにか始めようというときは結構ドキドキします。ここ数年は二勝一敗くらいでしょうか。全く弾かなくなった電子ピアノ、今では毎日活用している自転車、結構使っているハイキング道具。芸大は。。。投資のつもりで通ってます。卒業できる気はしていません。
こんな私が、修行のつもりで唯一コツコツ続けているのがブログ。そうなんです、これ「プチ修行」。ある程度の分量の、まとまった文章を書くって訓練なんですよね。amirisuの記事もね、編み物が上手で素敵な作品を作る誰かに突然振って文章を書いてもらえるかというと、そうはいかないわけです。編集者の観点からいうと、句読点を正しく使いこなせる方は少ない。編み物系のブログも沢山読んでいますが、日本人の方でちゃんとした文章のブログを書かれている方は… 稀有。海外には沢山いるので、言葉好きの私は自然と海外のニッターさんのブログに目がいきます。
最近もうひとつ始めた、スターチャンネルのブリリアント・シネマ・クラブウェブサイトへの寄稿。かなりの頻度で書かなければならないのでプレッシャーはものすごい。毎週同じ時間に同じ分量の文章を書けるようになるべく、新たな修行の旅に出たところです。
(私の担当はライフスタイルと海外封切り映画情報。11月から本格的に寄稿が始まります。って、のんびりしている場合じゃなかった!)
蛇足、というかオマケ
プチ修行、という観点でいうと、昔の私にとって英語はまさにそれ。これまで30年ほど毎日英語に触れているわけで、やはりそのタッチポイントの多さが重要なのだと思います。良く「英語の勉強方法を教えて欲しい」という質問を受けるので、自分の記憶で役に立ったと思うものを列記してみますね。何か役に立ちますように。
(1) ラジオの基礎英語・英会話
今では基礎英語、なんて名前ではないのかもしれません。NHKのラジオ講座、9歳から13歳くらいまで毎日欠かさず聞いていました。15分程度とはいえ侮れない。やっぱりいいですよ。
(2) FENなど、ラジオの英語放送
東京に住んでいると、横田基地のラジオ放送が聴けたのです。小学校のころ、宿題をしながら毎日FENをかけては、意味が全くわからない言葉を真似して繰り返していました。
(3) フォニックス
フォニックスとは、ご存知の方も多いかと思いますが、英語のネイティブの子供がどうやって発音を身につけるかの方法論に基づいた英語の勉強法。その解説本を小学校の頃に図書館で偶然見つけて、自分で発音の練習をしました。随分役に立ったと思います。
(4) 映画や洋楽の丸暗記
海外に住んでいた親戚が、字幕のない映画のビデオをお土産にくれて、それをひたすら繰り返し見ていました。セリフを覚えるくらい。これ、良い勉強法のようですね。あと、子どもの頃からビートルズが好きだったので。
(5) 受験勉強の英文法
学校でもある程度の英文法は勉強していましたが、大学受験の際に通っていた英語塾で、英文法の基礎的な1冊の本を、とにかく丸暗記するくらいに繰り返しくりかえし勉強させられて、今となってはとても役立ったと思います。
(6)ペンフレンド
今どきpen palなんてないのかな?外国のペンフレンドを紹介してくれるサービスがたしかあって、イギリスやロシア、アメリカの中学生と文通をしていました。とにかく辞書を引いて文章を書かないといけないので、大変訓練になります。年頃のお子さんがいらしたら、おすすめです。今ではきっと、もっと簡単にペンフレンド見つけられるでしょう。
(7) 大学のライティングのクラス
英語で文章を書く基本は、すべてこの授業で学びました。ビジネスレターの書き方、エッセイの書き方、苦情レターの書き方。社会人になってもこれ以上の授業や教材に出会ったことはなく、先生に大変感謝しています。とてもスパルタで、宿題の量は半端ありませんでした。指導教官は出身大学で今での教鞭をとっています。もちろん、その後も随分苦労・努力しました。
(8) 単語の勉強
初歩は英検の単語集。それからSATやGREの単語集。英英で勉強できるようになると、ラテン語の語源つながりで同源の単語をまとめて紹介していたり、似たようなカテゴリー(例えば神話上の人物にちなんだ形容詞、など)ごとに紹介されたりしている本があって、日本で出版されている普通の単語集(たいていABC順になっているだけ)にくらべて格段に暗記がしやすいです。
(9) 音読
英語の発音にも顔の筋肉が必要なんですよね。出張に行くなど、久しぶりに英語を話すという場合には、英語の本を何ページか音読して、口を慣らす、というようなことをよく行っていました。誰も聞いていないからといって、適当に読むんじゃないですよ。外人になりきったつもりで、大きな声でハッキリと読むんです。音読で、自分の出す音をしっかり聞き、正しく言えるようになるまで練習する、というのもあります。