今日は1年ぶり、神戸大学の国際文化学部で教鞭をとる友人の依頼で、自分のキャリアについての講義をしてきました。先週の授業では下調べした内容を発表していたらしく、どおりで最近ブログのアクセスが多いかなーと思っていたら、それでした。そうだったー。そんなことならもっとマトモなブログを書いておけばよかったと、昨年も思ったことを思い出しました。

講義にあたって昨年使った資料を見直してみたら、まだたった2人で会社とお店を始めたばっかりだったし、雑誌も印刷始めたばかりだったし、1年間で結構頑張ったなと実感ができました。あのとき「これからどうなるかは全くわかりません」なんて話していたけど、1年後にまだ会社をやれています。皆様のおかげです。
まだ就職活動も始めていない学生さんに、転職回数マックスの私が参考になる話をできるのか、まあ去年もそれを考えたのですが、今年もそこが一番の悩みどころでした。日本の会社では2年で会社をやめるなんてあまり一般的ではありませんが、やはり海外ではそんなに珍しいことではありません。会社の業績や事業統合次第では簡単にクビにもなるし、奥さんや旦那さんの転勤について自分も移動することだって多いし、一旦やめて復帰することもよくあります。仕事に自分がくっついている訳ではなく、自分が生きるために仕事をしているからです。
とはいえ、一箇所でキャリアを築くことは良いことであるとは思います。自分の活躍の場を見つけ、そこで成果を出せているということだから。でも要は人それぞれだということです。
十数年も働いたあとで学生さん相手にお話をすると、たいそう凄そうな人に聞こえてしまうのですが、私は会社で働いていたとき必ずしも模範社員だったわけではありません(というか全然ちがった)。毎朝起きて、同じ時間に会社に行き、同じ仕事をするのが心から苦手でした。10年繰り返しても、毎日辛かった。要求されたことを、要求されたようにぴったりやることも苦手でした。今日は、自分の弱点について質問をもらわなかったことは少し残念でした。沢山あったのに。
弱点という話のつながりですが、最近人々を観察していて、自分の得意なことに逃げ場を作ってしまって、一定の部分だけ必要以上に完璧に完璧にしてしまう、という傾向があるのだなと気づき、どうしたらそこを克服できるのか考えているところです。思い返せば、自分にもそういう部分が多々あって、私の場合は強制的に色々やらざるを得なかった状況だったので、ある程度中和されてきた自覚があります。でも、視野を広げてみると、その傾向は日本人にかなり一般的にあって、日本のメーカーの作る製品が必要以上にハイスペックな機能がついていたり、必要以上にサービスが完璧だったり、その一方で新しいものを生み出すのが苦手だったり、というところに繋がっているのではないのかな、と思うのです。不安遺伝子を持っている割合が日本人に多いのが、その理由のひとつでしょうか?
写真は、プレゼンの最初に使っているものです。高校生のときに親友にもらったこの切り抜き、まだ持っています。夢中になれることがあまりなかった当時と比べ、気が付いたら好きな仕事をしている今は本当に幸せだなと。今日の感想はそんな感じです。