
昨日の続きです。金沢の街の様子。今回は2泊し、街中かなり歩き回りました。裏道も表の道も。
昨日のブログでは都市計画の話をしておきながら、金沢が美しいと思う理由は行政の施策の問題ではなくて、人々の美意識。
もちろん、中心市街では電柱の多くが地中化され(道路が狭くて電柱が交通の妨げになるから仕方なく、と地元の人)ていますし、観光地区は奇麗に整備されていますが、でも違うの。なぜなら、裏通りまで奇麗だからです。
余計なものがないの。例えば余計な看板とか。ノボリとか。
そして、色がシック。古いものをそのまま使ってる。
下は1954年の暮しの手帖を買った、あの古本屋さんです。オヨヨ書房。外観にはまったく何の目印もないのですが、ただならぬ雰囲気に近寄ってみると、やっぱり普通じゃない。
中もなんてことは無いのに、やっぱりステキ。
これは、街かどで見つけた美容室。中を覗かないと美容室だと分かりません。特に看板もメニューも無いから。
この家は、ボロボロなのにディテールがスゴくて、崩れそうなのに玄関先には奇麗に植木が並んでいる例です。植木は背の順に奇麗に並ぶ几帳面さ。
このお魚は、仏具関連のお店が沢山並ぶ商店街の一角にあり、看板は無いけど「ここに何かある」感を強烈に醸し出しています。
近づいてみると。
やっぱり何かあった。隣にギャラリー兼カフェ。
この下は「ふ」屋さん。左側はさっきの崩れそうな民家です。
この建物の色合いのシックなことと、「ふ」以外に殆どなんの看板もないこと、そして、金沢によく見られるフリースタイルな3階建てが特徴です。

3階建ての町家は良く見かけて、その3階がサンルーム(明かり取り)になっているスゴいのもありました。
あまりいい写真ではありませんが、例えばこれ。
そして、分厚く釉薬を塗った真っ黒な瓦。
家の周りに植木を置いている家が多かったのですが、とにかく手入れが行き届いていました。
良くありがちな、枯れていたり、土しか入っていない植木鉢なんてなくて。
これは県知事の公舎だそうです。なんか只ならぬ雰囲気の巨大な家があるな、と思ったら。1935年に建てられた洋館(壮猶館という加賀藩の学問所跡に、のちに建てられた男爵家のお屋敷)。こんなところに住めるなんて、知事をやるなら石川県がいいんじゃないでしょうか。副知事の公舎もあるとか(やはり男爵家の元お屋敷らしい)。
金沢、本当に気に入ってしまいました。また行きたい。今度は家族経営的な小さい宿を探したいな。